Cardiff

Cardiff Castle (1998年5月31日撮影)

イギリスはイギリスという名前の一つの国という認識がありますが、実際には、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの大きく4つの王国からできています。 United Kingdomといわれるのはこのためです。

それぞれの地方は、それぞれの思想、文化を尊重し、独立と連合をバランスよく保っている関係というところです。 この辺りのバランス感覚は、日本人である私など到底わからない長い歴史に編み込まれてきたものです。

Cardiffは、Walesの首都になります。 もともとローマ人が、今から2000年前にタフ川沿いに築き上げた街です。 近代になってからは、石炭の輸出港として栄えたところで、最近は、比較的安い土地、税金、電気ガス等のインフラ、英語が主体の言語、そして何よりもこの地方の人々の勤勉さに目をつけ、ヨーロッパに進出する企業の足がかりとなって発展してきました。 そのためでしょうか、街全体にとても活気があるように思えます。

英語が主体の土地ではあるものの、Walesには固有の言語、ゲーリック語があります。 Bristolから車で橋を渡ると道路標識や地名、道路に書いてあるSlow Downなどという表示まで、すべてゲーリック語が現れます。 英語とゲーリック語にまったくといって良いほど共通点はありません。 Walesよりもスコットランドのほうが、ずっと遠いのですが、言語文化は、Walesのほうがイギリスから相当離れているように思えます。 スコットランドにも独自の言葉がありますが、その数は少なく、スコットランド特有の発音を考えても、ゲーリック語がなぜこんなにも英語と違うのか不思議な感じがします。

上の写真は、Cardiff城の中にあるClock Towerです。 写真では良く見えませんが掲げてある旗はWalesの旗で下が緑、上が白色の地に、真っ赤な龍の形がかたどってあります。 この城こそ、長い歴史の中でなぜWalesの人々が自分たちの文化や、その拠り所としてのゲーリック語を大切に守り続けてきたのか知っているのかもしれません。

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