Lavenham

Lavenham (1999年12月18日撮影)

Lavenhamは、「一度行ってみるといいよ」と何度も薦められていたのですが、一度も出かけた事がありませんでしたが、今日ようやく訪れる事ができました。

Lavenham (1999年12月18日撮影)

場所は、Suffolk州の南西の緩やかな丘の上にあります。 街全体が、とても古い木造の建物が多く、1450年から1500年に建てられたものが、ほとんどです。

この街に到着して、まず感ずる事は、何といっても、ゆがんだ家ばかりである事です。 上の写真は、広角レンズなど高級なものを使ったものではなく普通のポケットサイズのデジカメで写したものです。

左の写真も、今にも2階が崩れそうです。 全部の写真を載せるわけにはいきませんがほとんどの家の形が、このようにゆがんでいます。

なぜ、こんなゆがんだ形の家が多いのか? それは、この街の歴史によるものでした。

Lavenhamが、現在の街の形を成したのは、13世紀頃であったようです。

1334年に既に右の写真の、Flemish Weaversが、Wool紡績の手工業を始め、このWater Street沿いに、人がどんどん家を構えていきました。 14世紀終わり頃には、これら紡績の仕事をする人や、それを扱う商人たちが、近隣の街や村からどんどん人が流れ込んできたようです。

LavenhamのWool生地はヨーロッパ中で有名になり、15世紀初めのバラ戦争の時は、軍の需要で街の活気が最高潮に達したようです。 このようにどんどん人も増え、金も集まり、街中に住む商人たちは、自分の家の屋根の上にもまた屋根を乗せ、隣の家につなげたり、できるところを片っ端から増築していったようです。 このため家の形がいびつになっているのだそうです。

Lavenham, Flemish Weavers (1999年12月18日撮影)

Lavenham, Corpus Christi Guildhall (1999年12月18日撮影)

街の中心にMarket Placeという広場があり、その横に写真のGuildhallがありました。 このGuildhallは、Corpus ChristiのGuildhallで、1529年に建てられたものです。 この街には、3つの繊維Guildが存在したようで、これはこのうちの一つです。 この建物は、タウンホール、牢獄、結婚式場、ウールの市場というさまざまな顔を持っていたという事です。

Lavenham, The Wool Hall (1999年12月18日撮影)

左の写真はもう一つのGuildhallであったThe Wool Hallです。 初期の建物は1464年に建てられたものでしたが、1911年に老朽化したため一度壊されたのですが、住民の大反対の末、そのままの形で再建されたようです。 現在はホテルの一部になっています。

ほとんどの家には、家屋保存の条例が適用されており、自分の家でも勝手に壊したり、増改築をする事は禁止されています。 街の中の樹木の伐採も同時に禁止され、なんと街の景観保護のために1967年に既に電信柱を取り除き地中に埋設され始めたという事です。

過去に遺産をそのまま残すという頑固なイギリス人の気質により、いまだに街中が中世の形を残しつづけているものです。

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