ICOMリグ:電源電圧特性比較
このブログへのコメントをいただいた方、コメントではなくメールで連絡をいただいた方、JR0YHFメンバー各局から、数々のICOMリグの電源電圧特性がシビアであること、少し電源電圧が下がっただけでリグの動作ができなるなることについてのコメントをいただきました。 私は移動運用ではバッテリーを使って運用することが多いので、IC7000を使うとき、今までのIC706系と比べてどうなのかを調べるために実験をしてみました。 この電源電圧特性も4機種でベンチマークをしてみました。
比較対象は
- IC706
- IC706MK2
- IC756PRO2
- IC7000
それぞれの動作条件について
- 周波数は28.5MHzを使用。
- 出力はすべて50Wでの運用状況で比較し、出力をダミーロードに落とす。
- 送信モードはCW
- 電源電圧をテスターでモニターしながら、14Vより少しずつ落としていく。
- 送信状態と受信状態でどのような挙動をするか確認した。
- 送信電波のダミーロードからの漏れを別の受信機でモニターし、周波数ずれなどを監視する。
IC-706
- 受信: 9.8Vになったときに無線機の電源が落ちる。
- 送信: 10.2Vになったときに無線機の電源が落ちる。 周波数のずれは観測されず、落ちる直前まで同じ周波数。
IC-706MK2
- 受信: 9.8Vになったときに無線機の電源が落ちる。
- 送信: 10.5Vになったときに無線機の電源が落ちる。 周波数のずれは観測されず、落ちる直前まで同じ周波数。
IC-756PRO2
- 受信: 9.0Vよりも下がったときに、受信音が低下、スペアナ上のノイズレベル表示も低下。 8.0Vまで下がったときに無線機の電源が落ちる。
- 送信: 11Vよりも下がったときから、送信周波数が下にずれはじめる。 9.0Vになったときに無線機の電源が落ちる。
IC-7000
- 受信: 9.5Vになったときに無線機の電源が落ちる。
- 送信: 10.0Vになったときに無線機の電源が落ちる。 周波数のずれは観測されず、落ちる直前まで同じ周波数。
4台とも仕様上の電源電圧要求は13.8V+/-15%(11.73~15.87V)ですので下限を見る限り余裕で満足しているようですが、すべての機能を確認したわけではありません。
下記はJR0YHFメンバーからのコメントですが、参考になると思うので掲載しておきます。
以下引用
12Vを切ると途端に、リニアアンプ駆動端子が動作しなくなります。試してください。11.5Vは限界値かな??。
IC-756PROは更に電圧を11V近くに落とすと、正常そうに動きますけど・・・・途端に送信音がおかしくなる・・・・
移動局に多いでしょ。移動運用の局を聞いているとすぐ分かりますよ。
送信スプリアスがめちゃくちゃ増えます。ADコンバーターがおかしいのかデジタル処理がめちゃくちゃになるのか、帯域が数倍広がったリニアリティーの全くない音になりますので注意が必要です。
706も同様で、12Vを切ると外部アンプの制御端子は動きません。多分同様な症状になると思います。
この辺が昔ながらの機械との違いかも知れません。
以上引用