コーチング
コーチングとは一言で説明いたしますと「人の潜在力を引き出す協働的コミュニケーション」です。
コーチ、コーチングと聞くとどうしてもスポーツのコーチを思い浮かべる方が多いことと思います。たとえば、野球ではバッティングコーチ、ピッチングコーチ等、それぞれの専門的な知識や経験を活かし、クライアントである選手に技術やメンタル面でのあり方を教えている、そんな姿を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
キャリアコーチ、ライフコーチ(以下、コーチング)は、このイメージとは少し異なっています。コーチングでは何かを教えたり、指導したりすることはありません。
コーチングではクライアント様(以下、クライアント)に様々な問いかけを行い、クライアントがそれについて自分で考えて、時には過去を振り返り、時には未来に目を向け、今という瞬間に居て判断し、自分の言葉として返答していきます。また自分が考えたこと、自分が話した声が自分にフィードバックされてくることも大切なポイントです。これらのプロセスの中で様々な気づきや頭の中でモヤモヤしていた考えが整理されていくことになります。
「コーチング」と類似している関係性として、「ティーチング」、「カウンセリング」、「コンサルティング」というものがあります。これらの関係は下記のようになっています。
このように、2X2の構成で説明しますと、まず右と左ではクライアントとの関わりが違っています。右側は「クライアントに伝える、教える」という関係の形ですが、左側は「クライアントの中にあるものを引き出す」という形になります。つまり何かをHow toの形で教えたり、行動や考えの指導を行うものとは異なっています。コーチは、あらかじめクライアントの中にあるものを気づかせ、自らの行動に結びつけていくことをサポートする立ち位置になります。
では次に2X2の上下を見てみます。これは何を目的としてクライアントと関わるかを表しています。上は「目標達成がゴール」となります。これに対して下側は「原因特定、課題の抽出、そして対策がゴール」となります。
このように「コーチング」は、クライアントの目標達成のために、クライアントの中にあるものを引き出していくということになります。
「あらかじめクライアントの中にあるなら、コーチを付けなくともクライアントが自分で考えることでいいのではないか?」
そう思われる方も多いと思いますが、独りで考えることでは自分の論理や自分の考え方の癖、様々な先入観、自分を縛る何かなどから抜け出すことはなかなかできません。コーチングを通してコーチは様々な角度からそこに光を当てることで、クライアントが自分の本当にやりたいことや、ありたい姿に向けて一歩を踏み出し、それを自走化につなげていくことができるのです。