やってみよう

SOTAに参加するのに特に事前の登録などは全く必要有りません。 アマチュア無線局の免許をお持ちなら、今すぐにでも始められます。

1. 計画を立てよう

山の上でのアマチュア無線の運用には、まず登山の計画が必要です。 何の計画も無しに、ぶらっと風の向くまま、気の向くままという旅のスタイルのも良いですが、登山ではそういうわけにはいきません。 山では絶えず危険と隣り合わせです。 まずは、きちんと自分の体力、体調、技術に見合った山に登る計画を立てましょう。 この時、山の上で運用する時間が取れる、余裕のある計画を立てましょう。 山頂に到達したのはいいが、「お昼ごはんを食べたら、もうアマチュア無線の運用をする時間が無い」、なんてことになる前に、きちんと計画を立てましょう。 また計画は、登る山や登山ルートを決めるだけではなく、登山口までの交通手段、公共交通機関の場合は、時刻表なども調べて計画に入れましょう。 下山したら最終バスも無く、何十kmも歩く・・・・なんてことの無いように。

ワンポイント: SOTAではどんな山でも得点になるというわけでは有りません。 SOTAでは「Summits(山頂)」の規定があり、このサイト内の「SOTA日本山岳リスト」にある山頂からの運用だけがポイントとしてカウントできます。 詳しくはルールブックに記述がありますが、山頂とコル(鞍部)との間に150m以上の標高差が必要です。

しかし、こんな細かいことを気にする必要はありません。なぜなら既にこのことを考慮した上で、SOTA日本支部で、約7千件の山岳リストが作られているからです。 リストにある山であればこの条件を満たしています。

 

summit

 

2. どの山に行こうか?

SOTAの得点カウントのためには、上記の通り「SOTA日本山岳リスト」にある山の山頂からの運用が必要となります。 「SOTA日本山岳リスト」は、このサイト内にもありますし、支部レファレンスマニュアルの中にもリストがあります。 この中から選ぶことになるのですが、支部レファレンスマニュアルの中のリストは、山岳の名前と緯度経度が記述してあるくらいで、山の場所がわかりにくいです。 このため、このサイトの「SOTA日本山岳リスト」からは、地図(SOTA Map)へのリンクが張ってあります。

注意:リストにある山はすべて登山が許されているわけではありません。登山に関しては許可が必要だったり、一般人の立ち入りが禁止されている場所もありますので事前に調査してから登山に出掛ける必要があります

Listkn

上のRef番号をクリックすると、下のようなSOTAマップが現れます。

map

このSOTA日本山岳リストの山岳ID番号の構成は次のようになっています。

ID

ワンポイント: 支部レファレンスマニュアルの更新は基本的に1年に1回ですので、このサイト内の「SOTA日本山岳リスト」を見る方が最新データとなります。

 

3. 忘れ物はないかな?

山に登って、さて無線をやろうと思ったら、マイクが無い! なんて泣くに泣けませんね。 そうならないように、持ち物のチェックを忘れずに。 無線機、アンテナ、ケーブルなど形のある持ち物の有無だけでなく、バッテリーの充電、携帯電話・カメラの充電、ログ帳の余白ページ、ボールペンのインクなども忘れずにチェック。 それから、当日の天気予報なども大切なチェックポイントかも知れません。 無線関係だけでなく、食料や飲み物、帽子や雨具、地図などの登山に必要な持ち物も忘れずに。 こちらでの忘れ物は、命に関わることにもなりかねません。 そして最後にもうひとつ、いつでも登山を中断して引き返す「勇気」これも大切な持ち物です。

ワンポイント: SOTAでは持ち物の規則や制限は有りませんが、運用スタイルにいろいろな制限があります。 これも詳しくはルールブックに記載されていますが、主なものをあげると

  • 発電機などの化石燃料を使った電源や、商用電源(電力会社からの供給される電源)を使って運用することは禁止されています。 発発を持って登ったり、山の上にも山小屋などがあると思いますがそこから電気を取ったりすることは出来ません
  • すべての装置は自分もしくはチームで担ぎ上げる必要があります。 事前に山頂に宅配便で送っておく、こんなサービスは宅配会社もやってはいないでしょうが・・・・
  • SOTAは運用にあたっての無線法規の遵守を唱えています。 つまり、アマチュア無線の運用に際して、無線従事者免許、無線局免許等は必要ということです。 ただし、紛失や破損など特に天候の不順な山岳では不安もあります。 このあたりは防水対策をきちんとする必要があります。

 

4. 装備について

あれも、これもと装備を増やしていくと、あっという間に、リュックサックの中身は満杯、そこに雨具、水筒、食糧、と荷物は増えるばかり。 移動運用、特に山岳移動では持ち物を切り捨てることが大切です。 体力の消耗は命の危険につながります。 単に持って行くものを切り捨てるだけというのも、さみしいもの。 いろんな工夫で重量を減らす工夫も楽しいものです。 一番効果があるのはバッテリー、いまどき鉛バッテリーを担ぎあげる人は少ないでしょうが、リチウムイオン、リチウムフェライトバッテリーなどは安全で軽量です。 アンテナも短くして持ち運びができるような構造にするなどで相当に負担は減りますね。

ワンポイント: SOTAでは山頂にだどりつくまでの路程の最後まで車やバイクなどの車両を使うことを禁じています。 最後の山頂までは必ず徒歩で登る必要があります。 また山頂においても車の中から運用したり、上記のように車両から電源を取ることは禁止しています。

 

5. 山頂に到達!

すばらしい眺望、おいしい空気、鳥の鳴き声、山頂は、そこに到達するまでの苦労が報われる、すばらしい世界です。 さて、アンテナを張って、QSO開始・・・・・

その前に、ちょっとだけやらなくてはならない事があります。 それは「まわりの人への気遣い」です。

山頂に来た人は、皆、すばらしい景色や鳥のさえずりを楽しみに、苦労して登ってきた人ばかりです。 そこでアンテナを山頂の一番景色の良いところに立てて、大声を張り上げて無線をするのはどうでしょうか? まわりの一般の人は、無線のことなど全く知らないし、興味も持っていない人がほとんどです。 特に有名な山や登山客の多い山では、山頂をこのように占領することは考え物です。 中には不愉快に思う人も多いでしょう。 少し離れた場所で運用したり、登山客の皆さんに一言、「騒がしくてすみません」と声をかける。 ヘッドホンを使用するなどの気遣いは、お互いの気持ち良い一日のためには絶対必要です。

ワンポイント: SOTAでは山頂で運用することが、周りの人の配慮上問題になるような場合に備えて、山頂の一番標高が高い地点から最大標高差 25mの以内であれば山頂周辺での運用が認められています。

ワンポイント: SOTAは特に他人や自然環境の保全などについて非常に厳しく忠告をしています。 大声を張り上げたり、配慮の無いアンテナや装置の仮設、私有地(山小屋、ゴルフ場など)への許可の無い立入り、自然破壊、建造物破壊、そして登山前の道路や私有地への勝手な自家用車の駐車などは許されるものでは有りません。

 

6. 県境の山頂は?

登頂した山頂は県境にあります。 東京都側にいるんだけど、山が神奈川県で登録されてるけど・・・・・ このような場合、山頂がどちらの県で登録されているのかを確認してください。 データベースのIDはひとつしか与えられていません。 東京側にいても、IDがKNから始まる番号であれば、IDはKNから始まる番号を送ってください。

sota border

 

 

7.  アワードについて

アワードについては、このSOTA JAのサイト内にも記述してありますが、運用スタイルについて少し関係しているので、ここにも記述しておきます。

SOTAのアワードには、次の2つの観点があることをまず認識しておく必要があります。 (SOTA JAの中では、判りやすくするため「SOTAポイント賞」、「SOTA山岳賞」としておきます)

  1. SOTAポイント賞: 山頂にはスコアとしてカウントするポイント(得点)があります。 それぞれのポイント数はARMと呼ばれる、支部レファレンスマニュアルの中に記述してあります。 これは標高や季節ボーナスなどで計算されるもので、このスコアを積み上げていくもの。
  2. SOTA山岳賞: 異なる山頂での(山頂との)QSOの数を積み上げていくもの。

そして、ルールブックにも記述がありますが、

1の「SOTAポイント賞」のためには、アクティベータは最低4QSOが必要です。

そして

2の「SOTA山岳賞」のためには、アクティベータは最低1QSOでOKなのです。

 

 

8. その場所は何ポイント?

SOTAは運用する山頂の標高によって与えられるポイントが変わります。 SOTA日本支部の場合(本州、四国、九州・沖縄、北海道の4支部すべて同じ)下記のような標高による得点が得られます。 上記2項のところで説明した、SOTA Mapにも三角の中の数字として得点を表しています。

山頂の標高スコア
150m以上、500m未満1
500m以上、650m未満2
650m以上、850m未満4
850m以上、1100m未満6
1100m以上、1500m未満8
1500m以上10

 

も うひとつ得られるスコアは、冬季の「シーズンボーナス」です。 これはアクティベータだけの得点ですが、毎年12月1日から、翌年の3月15日までの冬季限定ボーナスポイントがあります。 あな たが上記の期間、標高1100m以上の山頂に立ち、4局以上と運用できた時に 3ポイントが上記の ポイントに加算されます。 このシーズンボーナスはデータベースで自動的に加算されます。

 

9.  ツールとコミュニティについて

SOTAを楽しむいくつかのサイトが存在しています。

 

9.1  データベース

https://www.sotadata.org.uk/ja/

これは、自分のQSOの記録を入力する、ログの機能を持っています。

ログインが必要なので、まずはデータベースのサイトの上部にある「ログイン」から入り、「新規登録」を選んで、ユーザー登録して「ログイン」をしてから操作を行います。

データベースの扱い方の説明はここに別途記述しました。

 

9.2  SOTAWatch3

https://sotawatch.sota.org.uk/

SOTAWatch3というのは、SOTAのリアルタイム情報、クラスターです。 だれがどこで出ているのかを知ることができます。 この機能は2つあり、一つは「SPOT」と呼ばれる現在どこでだれが出ているかを知らせる機能、もう一つは「ALERT」と呼ばれる事前に自分の計画を登録し知らせる機能です。 山岳移動ではQRPでの運用が大半になりますので、このような情報がないと非常に難しいかもしれません。 山行計画ができたら、事前にアップロードしておくと良いでしょう。 見ているだけならログオンは必要ありませんが、情報を登録するためには、ユーザー登録が必要です。SOTAWatch3からはSOTAデータベースとユーザー登録が共通化されどちらかで登録するだけでOKです。

こちらも、SOTA JAのサイトからも、SOTA本家と同じ形でリンクされていますが。 上部ナビゲーションバーの 「SOTAWatch3」から入ります。

山行の前に事前にALERTを登録しておくとCWの場合はReverse Beacon Networkと連携しているので自動でSPOTされるようになります。

 

9.3  Reflector

http://reflector.sota.org.uk/

SOTAWatch2のサイトの上部にもリンクがありますが、ここはSOTA関連の情報掲示板です。 ここも見ているだけであれば登録は必要ありませんが、書き込みを行う場合にはユーザー登録が必要です。 上部の「Sign Up」でユーザー登録を行います。  すぐにユーザー登録はされないようです。 しばらくするとユーザー登録が完了したメールが来て、自分で確認登録するとユーザー登録完了です。

 

9.4 メーリングリスト

SOTAの愛好家の情報交換の場所としてメーリングリストを運用してきました。 2022年からはSLACKのプラットフォームの中でSOTAを愛好する方々の情報交換の場所を作っています。

jh0cjh599 (atmark) gmail.com もしくは このホームページの問い合わせのページから参加希望を連絡ください。2023年5月時点で登録している方は129名となっています。

 

10. 安全について

SOTAのルールブックや支部マニュアルにも記述があるとおり、山岳移動運用は危険を伴います。 くれぐれも安全については自己責任による管理をお願いします。 SOTAおよび、SOTA日本支部は、各個人の山岳移動、行動については一切の責任を持つことは出来ません。

またSOTAの取り決めた山岳リストについても、その場所での無線運用やその場所にアクセスすることに対し、SOTAおよび、SOTA日本支部は一切保証しません。 地形的な条件からSOTA規定に合致する山頂を列記しただけのものです。 場所によっては、無線運用はおろか、一般人のアクセス自体が出来ない、もしくは許可を受けることが不可能な場所もあります。(火山、ゴルフ場、自衛隊基地、私有地など) これらについても自己責任でお願いします。

基本的には危険な場所、アクセスが不可能な場所での運用はあきらめるべきです。

 

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