NoraGatewayとMultiForward Link
昨年からNoraGatewayというD-Starのアクセスポイント・ターミナルモードで使うSoftwareが開発されていることを知り、何とかNoraGatewayをラズベリーパイの上で動作させたいと思って挑戦してきました。
いままでD-Starのアクセスポイントモード・ターミナルモードで使用するソフトはICOM純正のMS-3A、MS-3Wというソフトがあるのですが、どうも不安定で昨年9月ころにバージョンアップされてからは安定度が少し上がったものの、いつの間にかソフトが停止していたりする現象が起きていました。 このため、このNoraGatewayに期待していたのですが、なかなかConfigファイルがうまく設定できていないようで動作させることができませんでした。
一方で今年になってから、D-Starのアクセスポイントモード・ターミナルモードでも各リピーターのワッチができるMultiForward Link機能が付いたということで、こちらは今までのアクセスポイントモード・ターミナルモードが呼ばれないと話もできない、リピータが使用中かどうかもわからないという状態で不満があったので大いに期待していました。
そしてNoraGatewayでMultiForward Linkの運用ができるということで、再度NoraGatewayの設定に挑戦。
いろいろとトライしましたがようやく原因が判明。 アクセスポイントモードで使用する親機側のコールサイン指定とNoraGatewayで指定するGatewayコールサインとリピーターコールサインの設定があっていなかったことが原因でした。 CSVファイルを直接修正しても良いですが、わかりやすいようにCS31Plusの画面です。 なお当たり前ですが、JA1CTVやJH0CJHのコールサインはそのまま使わないでくださいね。
私の場合下記の設定にしました。
まずしゃべる側の子機の
- 自局コールサインはJH0CJH
シンプレックスリピータとして指定する親機側の設定(子機に入れる設定)
- リピータコールサイン JA1CTV A (これはJARLのD-Star DBに登録が必要です)
- ゲートウェイコールサイン JA1CTV G
- 周波数は438MHz台の周波数
そして親機側の
- 自局コールサインはJA1CTV A
としました。
そのうえでNoraGatewayのConfig Fileで
- ゲートウェイコールサインを上記と同様に JA1CTV G
- リピーターコールサインを JA1CTV A
- USBポート番号は私はラズベリーパイ上で構築したので /dev/ttyUSB0
これくらいの設定で大丈夫だと思います。
これでラズベリーパイとID-51Plus2をケーブルで接続し、OPC-2350LUで接続します。
しゃべる子機側でシンプレックスリピータの中から先ほど設定したものを選択します。
親機のID-51Plus2をアクセスポイントモードにして、周波数を子機と合わせ、ラズベリーパイを動作させると「NoraGatewayに接続しました」というアナウンスが流れます。
この状態でひとまず普通のアクセスポイントモードが完成。 NoraGatewayの安定度も良いようです。
左が子機側、右が親機側です。
MultiForward LinkについてもNoraGateway側で特に設定せずできました。 MultiForward Linkは
- まず子機側から接続したいリピータのAモジュールに接続すべく、下記のコマンドでカーチャンクします。 例えば海老名RPTであれば
- JP1YJXAL コールサインのあとAそしてリンクのLです。 (この各リピータのLinkコマンド付きのリストは相手局リストとしてメモリーに入れておけますのでリピータの名前付きで入れておくと便利です。)
- するとMultiForward Link対応のリピーターであれば接続した旨のアナウンスが返ってきます。
- この状態ではタヌキワッチだけです。 そのリンクしたリピーターで話をするにはToにUse Reflectorを選択し話すだけです。
- 使用が終わったらLinkをUnlink Reflectorで切っておく必要があるようです。 Unlinkした旨もアナウンスが流れます。
九州のリピータでの会話もローカルのように聞こえます。
このMultiForward Linkで各地のリピータに出るときは通常のアクセスポイントモードではないのでコールサイン指定ではなくそのまま山掛けで応答することができます。 これでロケーション最悪の東京別宅からもワッチしながらの楽しい無線ができます。
これでまた新しい世界が広がりました。