
IC-9700でのFT8運用時の不具合対策
先日、430MHzと1200MHzでFT8を運用しているとき、WSJT-Xのウォーターフォール画面が、しばらくすると通常の受信状態とは全く異なる表示に変わってしまうことに気づきました。この状態で本当に受信しているのかどうか、非常に心配になりました。
どのような状態かというと、ウォーターフォールにこのような縦じまが出てきます。
ずっと出ているわけではなく、入力信号があると消えます。
さらに信号が消えてすぐにこの縦じま状態が始まるわけではありません。 下の例では顕著にそれが見えています。
900Hzの信号が消えてから3行、つまり約45秒後から始まっています。 この症状が出るまでの時間にはばらつきがあります。 入力レベルがしきい値付近にあるためだと思います。
なぜこうなるのでしょうか。そして、この症状が144MHzでは起きず、430MHzと1200MHzだけで発生することも不思議です。
これは単に受信信号がないときにAGCゲインが増大し、見えなかった縦じまが出てくるというようなものではないと思います。 縦じまが出ているときは、通常の受信状態で見えていた500~700Hz付近のノイズが見えなくなります。 これは明らかに受信信号がWSJT-Xに届いていないことを示します。
実際のQSOで弱い局から呼ばれた際、最初のコールは判読でき、こちらからコールバックしたのですが、その直後この縦じま状態が続き、その局は全く見えなくなってしまいました。
これは、USB Audio Codecが無信号状態と判断してミュートしてしまうためではないかと思います。 これは弱い信号を受信する場合に致命的です。
インターネットで検索するとIC-9700で信号が途切れる問題が海外で議論されているサイトがありました。 そのサイトでは、WSJT-Xとの組み合わせでそのような症状が出るという内容でしたが、試したところJTDXでも同じ症状が起きました。
USBドライバー関連をいろいろと調べてみたのですが、よく分かりませんでした。430MHzと1200MHzだけで発生し、144MHzでは発生しないのは、430MHzと1200MHzのノイズレベルが明らかに144MHzよりも低いためではないかと考えました。そこで、WSJT-Xを動かしているPCのサウンド設定でUSB Audio Codecのレベルを上げてみました。
ビンゴでした!
Windowsの場合、「設定」-「システム」-「サウンド」-「入力」から、使用しているUSB Audio Codecを開きます。
私の場合、「入力音量」のレベルは「55」になっていました。
この画面では、「入力音量」のところに入力レベルがバーモニターで表示されています。 上記の例を見てわかるようにバーモニターはほとんど振れていません。
一方で144MHzではこのようになります。
430MHzの場合と明らかに違ってバーモニターが振れています。
このため、430MHzと1200MHzではUSB Audio Codecが無信号と判断し、ミュートしていたものと思います。 このミュート機能をOFFにする設定がIC-9700側にあるのか、Windows側にあるのかは分かりません。現時点では、この機能を無効にする設定を見つけられていません。
IC-9700では、AFスケルチをOFF(オープン)にしています。
対策としては、IC-9700側でAF出力レベルを上げるか、Windows側でUSB Audio Codecのマイクレベルを上げることで対応できそうです。
試しにこのレベルを90くらいにしてみると、無信号状態でもミュート状態にはなりません。
この入力レベルをあまり高く設定すると、信号があるときに入力信号がOverDriveになります。
私の環境では、「85」にすることでミュートにならないようです。 この時のIC-9700側のAF出力レベルは「50」のままです。 ただし、これは無信号でもミュートにならないレベルです。弱い信号でミュートが解除されればよいため、おそらく70くらいでも良いかもしれません。
これは受信信号のレベルが落ちるとかの問題ではなく「信号が切れる」ということなので、受信できるものができないことになりますので、これはとても重要な設定だと思います。








