自然の中で生きているという感覚


今日は下期の仕事も昨日で完了し、比較的時間に余裕のある1日を過ごしました。

フランスから観光および家族と会うために来日している、山で無線をするという同好の友達が、今日は山梨の「扇山」に登って無線をするということで、お昼頃に7MHzの無線を聞いてみました。 しばらくは普通に日本全国の声や信号が聞こえていました。

「今日は何時ころに山頂に到着するのだろう?」などと考えていると、いきなり全く無線通信が途絶えました。

その瞬間、何が起きたのか全く分からず、アンテナの障害かとも思いましたが、長野の友達からも全く聞こえなくなったとの連絡。

いろいろ、SNS上の友達にも聞いたところ、「デリンジャー現象」が発生したようです。 デリンジャー現象は太陽からのX線放射が原因で発生する電離層の擾乱です。

以下WikiPediaからの引用

持続時間は数十分から数時間の程度であるがまれに数時間以上も続く場合もある。多くは太陽フレアが原因である。太陽フレアが発生すると太陽で発生するX線や紫外線が急増し、それらが電離層に到達することで電離層のD層の電子密度が増加する。

通常の場合、短波(3 – 30 MHz)はD層を通過しF層で反射されるがこの現象が発生すると電子密度が増大したD層で短波が吸収されるようになり、長距離通信が不能となってしまう。短波よりも高い周波数の電波や中波などには影響は少ない。

無線を趣味とする人なら、この「デリンジャー現象」という名前は、皆知っていると思います。 私自身、中学生のころ受験したアマチュア無線技士の試験問題にありましたので知っていましたが、その現象に直接立ち会ったことはありませんでした。 「いまデリンジャー現象が発生しているよ」という情報で、無線通信が全く働かないという状態を経験したことはもちろんありますが、使用前・使用後のようにその発生する瞬間に立ち会ったことは今までありませんでした。 こんなに突然、無線通信が途絶えるものなのだと初めて知りました。

幸いにも今日のデリンジャー現象は1時間ほどで回復し、山梨の扇山に登っているフランスの友人とは無事交信できました。

我々人類は、この世のすべてを理論づけ、解明したような気になっていますが、まだまだ分からないことは多く、我々、いや人類の力など太陽や自然の前では風前の灯・・・いや何の力もない存在であり、人間はすべて自然に頼っているということをあらためて認識した、そんな出来事でした。

先日、友達と秦野の弘法山に登りました。 その途中経路にある彫刻があります。 こんなメッセージを作者は送っています。

https://www.city.hadano.kanagawa.jp/www/contents/1648095194896/index.html

そう「自然を守ろう」この言い方はおこがましいのです。 我々は自然に守られている、だからこそ、自分を守ってくれる、育んでくれる自然を大事にしないといけないのだというこの作者の石像に込めたメッセージを深く考えたことを思い出しました。

人里離れた山の上にいようが、大都会の中で近代的なオフィスビルの中にいようが、そこは紛れもなく大自然の中。

 


JA1CTV
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