F/HモードとMSHVモードの見分け方(改版3)


(3月31日修正しました)

以前から思っていたことだが、FT8においてF/HモードとMSHVモードの見分け方が判らず、この混乱はなんとかならないものかと思っていた。

最近のDX Peditionのホームページなどで、FT8についてはF/Hしか出ない、とかMSHVしか出ないと宣言している場合は本当に助かるが、今回のルワンダ9X5RUの運用でもバンド毎にF/HモードとMSHVモードが混在しているような場合は、もうカオス状態だ。

そこでFT8でF/HモードとMSHVモードの見分け方についていろいろと考えてみた。

まずはターゲット局がOdd送信なのかどうかを見極める。 Oddで送信しているならMSHVであろうが、先日の3Y0Jのように時刻ずれの場合もあるし、EvenでのMSHVも当然できる。

次は呼んでいる局が周波数シフトしているかどうかを見るのが一番早いのだが、ハイバンドなどだとスキップで呼ぶ側が周波数シフトしているかどうかは判別しにくいし、自分が呼んでいるタイミングと同じなので呼ぶ側がどこで呼んでいるかは解らない。 一刻も早く呼びたいのに2シーケンス以上(送受合わせて1分以上)も画面をのんびり見つめているなんて、コンディションが刻々を変わる中で、こんな悠長なことはできない。 通常のFT8での交信のようにターゲット局が別の局をピックアップした時には自分が呼ぶ必要は無いというような「休み時間」が無く、いつでも毎回コールバックがある可能性のあるこのF/HモードとMSHVではこの「休み時間」が無い。 というより休み時間がもったいないのだ。

でも自分がどちらかで呼んでいて応答がないと「モードが違うのかな・・・」などと、だんだん心配になる。 先日クラスタ情報も間違っていた場合があるし・・・・

そこでターゲット局の応答からだけでどちらかを判別する方法を考えてみた。

まずはこの2つのモードのシーケンスだが、

  • ターゲット局がF/Hの時は信号レベル付きで呼ぶことができないので、ターゲット局からの最初の応答は信号レベルのみでRは無い、そしてこちらの応答はR+信号レベル、次のターゲット局の応答はRR73で終了
  • これに対してMSHVは呼ぶ側は信号レベル無しで呼ぶ場合と信号レベル付きで呼ぶ場合がある
    • 信号レベル無しの場合:ターゲット局の最初の応答はR無しの信号レベル、こちらからはR+信号レベル、ターゲット局からはRR73、こちらから73で完了
    • 信号レベル付きの場合:ターゲット局の最初の応答はR+信号レベル、こちらからはRR73、ターゲット局からはRR73で完了。

つまり

  • ターゲット局の応答がR無しの信号レベル」だけを送っている場合はF/H
  • ターゲット局の応答に「R無しの信号レベル」と「R+信号レベル」が混在している場合はMSHV

と思うのだが、ちょっとこの判断基準でしばらく様子を見てみることにしようと思う。


3月30日追記+3月31日追記修正

JA4JOE OMのブログに今回のルアンダでの運用はF/HとMSHVどちらでも良いという情報がありました。 情報ありがとうございます。 MSHVで運用している場合はF/Hでも対応できるそうです。 確かにQSOしている局はどちらでもできているように見えます。 ということで今後はF/HなのかMSHVなのかは、あまり意識する必要がないのかなと思ったのですが何となく気持ち悪いです。

何が気持ち悪いのかよく考えてみると、DX Pedition局がMSHVのソフト使っているのであればどちらでも構わないことで安心ですが、DX Pedition局がF/Hであった場合はおそらくMSHVを呼ぶようにNormalでは取ってもらえないのだろうと思います。

やっぱりDX Peditionを行う時にはF/HなのかMSHVなのかを明示して欲しいものです。 ルアンダの9X5RUのホームページにはF/HとMSHV両方可能と明記されていました。

もう一つ考えてみたのは、DX Pedition局をどちらで呼んだほうがQSOの確率が上がるかです。

F/Hで呼ぶ場合のプラスポイント

  • 上記のように呼ぶ側、呼ばれる側2回づつのシーケンスで終了するため交信時間が短い (+1)
  • 相手がF/Hであった場合はこちらもF/Hでないと取ってもらえない、MSHVであればどちらでも取ってもらえるため、F/Hで呼ぶほうが確実、この点は大きなメリットがある (+1)

F/Hで呼ぶ場合のマイナスポイント

  • 取ってもらった後オンフレに周波数が飛ぶことでQRMが避けられるような気がしていたが、もしかしたら飛んだ先の周波数で誰か呼んでいる局がいる可能性もある。 自分がF/Hで取ってもらった周波数と変わってしまい、飛んだあとの周波数が使われているリスクがある。(例えば前のシーケンスでRR73が返らず、終われなかった局がまだR+レポートを送っているような場合、これを避けるためか、2回目のレポート時はもう一回、周波数が飛んでいるようだが、その先ではまた滞留局とのバッティングの可能性がある)(-1)

Normalで呼ぶ場合のプラスポイント

  • 上記のように呼ぶ側はレポート付きでコールするケースとレポート無し(グリッドロケータ付き)で呼ぶ場合の2通りあるが、レポート付きで送る場合は呼ぶ側、呼ばれる側2回づつのシーケンスで終了するため交信時間を短くできる。 これはF/Hと同じ。(+1)
  • 取ってもらったあと周波数が変化しないため、取ってもらった周波数のままシーケンスが進むため、周波数のバッティングのリスクは少ない。(F/Hのマイナスポイントで―1としているのでこれは0と考える、+1とすると2点差が開くため)
  • 呼ぶ周波数を+1000以下で呼ぶことができるため、QRMが少ないところで呼べる。(+1)

Normalで呼ぶ場合のマイナスポイント

  • レポート無しで呼んだ場合、呼ぶ側は3回、呼ばれる側は2回のシーケンスになるので交信時間が長くコンディションの変化に弱い(レポート付きで送る場合+1としているのでレポート無しで送る場合は0と考える、-1にすると2点差が開くため)
  • 相手がF/Hであった場合はレポート付きであろうが、レポート無しであろうが取ってもらえない(これは致命的なところがあるのでF/Hのプラスポイントで+1としているが、あえて―1と考える)

まとめると、こんな感じでしょうか?

恣意的なところもありますが・・・(笑) F/HなのかMSHVなのか判らない場合でもF/Hで呼べばその点は安心という気がしますが、どうでしょう? 難しいです。 こんなことに悩まず見えたら呼んでみることですね・・・・

 

 


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