鍋嵐、辺室山縦走


神奈川県愛甲郡清川村鍋嵐(JCG#11001B, SOTA#JA/KN-029)

今日は休暇をもらって以前から行きたいと思っていた「鍋嵐(なべわらし)」SOTA JA/KN-029に登らせていただきました。

この山はアクセスがとても大変で危険な場所が多いです。東丹沢の奥にあり、実は登山道も正式には存在していません。登山道は道迷いしやすく、しかもガレ場、細尾根で軽い気持ちではとても無理です。相当の覚悟が必要です。

しかし、暖かくなるとヒルが出て、冬季は雪も深く、登るなら晩秋か今の季節くらいしかありません。

相当困難な山ですが何とか覚悟を決めて出かけてみました。 今日は電車バスの乗り継ぎです。

朝5時に家を出て「本厚木駅」の北口、5番バス乗り場から6時発の「上煤ケ谷」行きのバスで「煤ケ谷」まで行きました。煤ケ谷からは7年前に大山三峰山に登ったルートと最初は同じです。6時半に煤ケ谷バス停に到着。

この先に見える小さな橋を渡ってから左に曲がり、登っていきます。 暖かくなりましたが、まだこの時間は寒いです。

登り口には獣除けのゲートがありましたが、「狩猟中」・・・・怖いですが、よく見ると2月末までのようです。

しばらく急登を登ると向こうにおそらく「鍋嵐」と思われる鋭く尖った山が見えました。

この「大山三峰山」および「鍋嵐」近辺はとても危険なため、いたるところにこのような看板が出ています。

最初の分岐です。「物見峠」までは三峰山方向に向かっても、物見峠方向に行っても到達します。今回も7年前と同じ巻道の物見峠方向に行きました。

この巻道は急なトラバースが多く慎重に行かないといけません。800mの急峻なトラバースの始まりです。

この先は踏み跡は鹿かイノシシしかありません。

状況は時々で変わると思いますが、今回この800mのトラバースで危険だなと思ったのは「物見峠」直前です。最後まで気が抜けません。下は何十メートルも続く崖です。通過してから写真を撮りました。

しかし、今日のハイライトはこれからです・・・・

まずは「物見峠」に到着しました。バス停出発から1時間半。少し休んでから出発。7年前と何も変わらぬ景色。

「物見峠」から「辺室山」方向にしばらく歩きます。

最初は尾根道ですが、

こんな岩場も出てきます。

そして、鍋嵐方向への分岐に到着。話には聞いていましたが、鍋嵐方向は一応、立ち入り禁止です。道迷いもあるし、細尾根もあるので当然だと思います。

この少し左を進みますが、まず最初っからとても急峻なトラバースから始まります。これは物見峠へのトラバースよりもさらに危険で急峻な崖です。

そこを抜けると今度は急なロープ場、写真ではあまり判りませんが、両側は何十メートルも切れ落ちた崖です。

こんなところはビビりまくりです。

しかし、実はここは誰もが間違う場所でした。この先は道が無くなっていました。

道間違いに気づいて、この恐怖の細尾根を渡って戻ると、719mの小ピークの道標に小さく鍋嵐は左と書いてありました。

719mの小ピークに着いたら慎重に道を見極めてください。誰がどう考えてもまっすぐ進んでしまいます。山行記のGPS記録を見てもほとんどの人がこの場所で間違えています。それを知っている自分も間違えるほどです。

しかし、この719mピークの左方向に道などあるのかと思ってよく見ると、またまた飛んでもないトラバースが出現。

右の崖に張り出している木の根をつかみながら慎重に渡りましたので、ここは見た目は怯みますが比較的安心して渡れます。

その後もこんな感じの細尾根にどっかりと居座る巨木。

1か所ではありません。

写真では判りませんが、両側は崖です。落ちたらおそらく這い上がってこれません。

この巨木には何の罪もありません。はい、そこを通過しようとする方が悪いんです・・・・この巨木をうまく周り込んで向こう側に行かないといけません。

分岐から鍋嵐までの距離は短いですが、このゴジラの背中の連続で結構時間が掛かります。

そして最後の急登。 これを登れば鍋嵐山頂なのですが、本当に急登です。最後の試練。

そしてついに「鍋嵐」標高817mの山頂に到着。バス停から2時間半。たかが817mの低山と侮ってはいけません。 大山三峰山同様にスリル満点な山です。

赤松の巨木の向こうにまだ雪の残る「蛭ケ岳」が見えています。

山頂は狭く、木が多いので今日はポールではなく木の枝にロープをかけてダイポールアンテナを上げました。

今日は先日、失敗したFT8にも出ました。

更に、ギボシダイポールにローディングコイルを取り付けて7MHzにも出れるようにしてみました。今回の新兵器です。これはまた別途FBニュースのサイトに投稿してみます。

今日の成果

  • 14MHz CW : 8局(北米2、台湾1)
  • 18MHz CW : 10局(北米2)
  • 21MHz CW : 14局(北米4、オーストラリア3このうち1局は山岳移動局、ニュージーランド1)
  • 24MHz CW : 5局
  • 28MHz CW : 5局
  • 7MHz CW : 6局
  • 7MHz FT8 : 27局
  • 28MHz FT8 : 1局(中国1)

合計76局、ハイバンドの状況が良い春のコンディションになってきました。

驚いたことに平日のこんな日に、そしてこんなマイナーな山に2人の登山者と会いました。そのうちの一人が女性の単独山行でした。誰も来ないと思っていたのに、よくこんな場所に来られましたね、などと話をしながらの交信で、集中が途切れ、途中何度か呼ばれたコールサインを聞きなおしたりしていました(笑)。

12時20分に終了。撤収して下山。 下山も注意が必要です。同じ細尾根、トラバース、そして細尾根にはばかる巨木たちが待ってくれています。

なんとか分岐まで戻りました。

ここからは、「辺室山」方向に向かいます。

正面に見えるのが辺室山。 まだまだ距離があります。

振り返ると、鍋嵐が見えていました。

「辺室山」山頂に到着。 ここは広くベンチもありました。

バス時間もあるので少しだけ休んでから、下山。

宮ケ瀬湖が見えてきました。

そして「土山峠」のバス停に到着。 1時間に1本のバスですが、15分待ちで乗ることができました。 下山で少し走りましたので楽勝でした。

今日のルート

そして高度です。鍋嵐の最後の急登がきつかったです。 全体的に急登ばかりですが。

鍋嵐は以前から登りたいと思っていた山でしたが、東丹沢の奥深くにあるこの山の山行記や登山路を見て、なかなか覚悟ができませんでしたが何とか本日、無事に登ることができました。 登山に慣れていない人は危険なのでやめたほうが良いと思います。私ももう行かないかもしれません。そんな気持ちで長時間、いろんなバンドで出てみました。

たくさんの局に呼んでいただきありがとうございました。

 


JA1CTV
山岳登山の道

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