レッテル


今日はこんな出だしから始めてみたいと思います。

ご存知のようにSOTAのクラスターであるSOTA Watchはセルフポスト(自分で自局運用のスポット)が許されています。これはSOTAの運用が短時間であること、なかなか見つけてもらえないQRP運用になること、天候などによっては過酷な環境下での運用が多いことなどが理由です。また、SOTA内で閉じたものであることも理由の一つです。

これに対し一般的なクラスターでは明文化されているか、いないかは判りませんがセルフポストは禁止のところが多いと思います。こんなことになったらクラスターの中は大量の投稿で大混乱でしょうから当然のルールだと思います。

以下はSOTAが日本でまだ始まったばかりのころ、2016年の話です。

誰が設定したのか判りませんが、SOTA Watchが世界的に有名なDXクラスターであるDXScapeにリンクされ、SOTA Watchでの投稿が自動的にDXScapeに投稿されるという問題が起きました。DXScapeを見ている人にとっては、SOTAの運用をしている人が禁止されているセルフポストをしているとしか見えない状態になりました。

この時、日本の有名なDXerのある方からすぐにこの連絡を受けましたが、「DXer仲間でも話題になっているが、SOTAの人たちがこんなこと(DXScapeへのセルフポスト)をするわけがないので何かのトラブルでしょう?」と聞かれました。

すぐにDXScapeを運営している方に連絡をして誰が設定したか判らないSOTA Watchからのリンクを遮断してもらい解決しました。

このやり取りの中で、私がうれしかったのは「SOTAの人達がこんなことをするはずがない」と言われたことです。

当時は、まだまだ無名のSOTAでしたが、SOTAの存在を認め、SOTAをやる人の価値観を理解してくれている人がいるということが心強くあり、とてもうれしかったのです。

このように「SOTA愛好者=ルールを守る」というステレオタイプ(レッテル)をこれからも大切にしたいと思いますし、このレッテルを守るのはSOTAを愛好する方一人一人に課せられているものと思います。

SOTAは自己申告の世界です。そこに魅力を感じている方もたくさんおられます。しかし、一方でこれは悪用しようとすれば登ってもいない山で運用したことにしてレポートしたり、SOTAの基本的なルールである自然破壊の恐れや安全管理のため登ってはいけない山、立ち入ってはいけない山に、持ってもいない許可を得て登ったということすら可能です。

また、プラスチック製のSOTAのロゴプレートを山頂の木に釘で打ち付けたり、人の多い山頂で無線機のノイズを大音量で出したり、山頂碑にアンテナを取り付けたり・・・・ また山頂移動局を呼ぶ方にもいろいろとマナーを守っていただきたいことも多くあります。  SOTAでは全世界でも時々このような事例もありますが、ルールを守らぬ人、SOTAの精神を理解せぬ行動をとる人には厳格に対処しています。

「SOTA?・・・ああ、あの自然破壊、登山の安全もルールも無視、自己申告なのでやりたい放題のアワードのシステム」などというレッテルを張られないために、是非SOTAを愛する方、参加する方には、ベテランの方にも初心者の方にも、ひとりひとりが、今一度SOTAの基本的な考え、ルールを再度認識していただきたいと思っています。

この度、SOTAの大原則であるGeneral Rulesの日本語版を最新版に改訂しました。

General Rules (日本語版) General Rules V1.21 JA

SOTAを楽しまれる方には、すでに熟知しているという方も是非ご一読いただきたいと思います。 新たな発見や気づきも多いはずです。 時間の無い方は、特に3.7章(3.7.1から、3.7.4まで)そして3.16章を読んでいただきたいと思います。 3.7章はアクティベータのルールという内容なのですが、行動規範としてチェイサーのマナーについても記述があります。

 


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