FT8での狭帯域フィルター


今日はFT8でFIFAの記念局を追いかけながら面白いことに気が付いた。

通常、FT8で運用する場合は帯域フィルターを3kHz(Max)にしてSSBの音声帯域全部が見えるようにするのが普通であるが、これを狭帯域の500Hzにしてみると弱い局のS/N比が格段に上がるのである。 受信帯域幅が狭くなるので当然と言えば当然ですが。 QSBもあるのでどれくらい上がるかは正確には測定できませんが、WSJTXの信号レベルとして、S/N比が5~10dB上がるという感じでした。 これも500/3000=0.1667=-7.8dBですので当然の結果です。

下の例ではS/N 4dBの局が帯域500Hz でS/N 12dBに上がっています。 1ヶ所だけ-11dBとありますが、これは別の局です。一つ上に同時刻の信号があるので判ると思います。8dBアップは理論値通りです。

Waterfallはこんな感じ、途中から帯域を3kHzから500Hzに変えています。

実際に相手局との間のコンディションが改善したわけでもありませんし、信号強度が上がったわけでもなく、単にノイズを減らしただけなので、これで相手に取ってもらえるかどうかは全く別の話です。

ただ、このやり方だと帯域が減った分PCがデコードする信号の数が減るのでその分、狭帯域に集中してデコードできるのでPCのCPUパワーを有効に使えることは事実です。

気を付けなくてはいけない点は

  • 帯域が狭いのでその帯域外から呼ばれると気が付かない
  • 相手局の近傍で呼ぶしかないので場所取りが困難(機種にもよるがフィルターは受信帯域だけなので全音声帯域で送信は可能)
  • (追記)受信フィルター帯域外での送信ではQRMを起こさぬよう注意が必要

実際の運用ではこんなことはしないと思いますが、アマチュア的な実験としては面白いと思います。

 


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