自宅サーバーメンテナンス


前回、自宅サーバーのハードディスクに障害が発生してHDDを交換したのが昨年の8月でした。 通常サーバーのHDDは24時間365日稼働しますので、寿命は通常のパソコンよりも短く2年くらいです。この8月の障害発生時点でもちょうど2年が経過したころでした。

しかし、このHDD交換後、半年もたたない昨年の12月の末から2重化しているHDDの片側がRAID1構成から外れるという障害が何度か起きていました。その後、外れたHDDをRAID1に参加させるとしばらくは通常状態に戻ります。このためHDDの物理的な障害ではないようです。

今までの発生経緯
12月26日 0224JST
1月6日 0659JST
その後しばらくは大丈夫でしたが
1月27日に2回 1626JST 2053JST 2回発生
1月28日 0134JST 11:41JST 2回発生

発生するのは必ずBドライブ側。

なぜこの障害が起こるのか判りませんでしたが、すこしネット上を検索してみると、8月に購入したHDDはメーカーが近年発売した原価低減版のようです。今まではこのような分類はありませんでしたが、HDDにはデータ書き込みの方式で「CMR型」と「SMR型」というものがあるようです。HDDへの書き込み方法の違いについては、このサイトで詳しく説明されていますが、最近出てきたSMR型はHDDのハードウェア構成をほとんど変えずにHDDの容量を大きくしている方法のようです。隣接するトラックの上のデータを重ね書きしてしまうようです。一度HDDにデータを書き込んで、その部分がずっと変更されず、そのままになっているのであればキャッシュメモリーの大きいSMR型の方が逆に高パフォーマンスのようです。しかし、頻繁にデータの書き換えが行われるようなシステムではSMR型の場合、一度トラックのデータを別の場所に確保しておいてから、書き込むことになるのですごく手間がかかることになります。これに対して従来型のものはCMR型と呼ばれ、Conventionalという名前の通り通常の記録方式で隣接データを消すようなことはありません。今まではこの形のものしかありませんでした。

8月に交換したモデルはまさしくこの原低版、SMR型でした。いろいろ調べると、どうもこのメーカーは当初CMRとかSMRとか明記せず、その構造の違いも明確に説明していなかったようです。 今でも同じ製品シリーズの中にCMRとSMRが混在しています。型名やシリーズ名では判断ができないことになります。CMR・SMRの型式は最近になって明示されたようです。

ここからは完全に私の妄想ですが、この手間がかかるデータの書き換えのためミラーリングの処理が追い付かずにRAIDが外れてしまうのではないかというものです。真相はわかりませんが、いずれにせよ20年以上自宅サーバーを運用した中でこんなHDDの障害が起きたのは初めてです。

ということで今回CMR型のHDDに再度交換をしたわけです。

それにしてもこのSMRという記録方式は本当に大丈夫なんでしょうか? データはだれにとっても貴重な財産です。もうちょっと細かな説明がメーカーからあってもよさそうな感じがします。この記事を書いた時点で、価格の差は2TB HDDで2000円くらいCMR型の方が高いくらいです。価格だけを見れば、もちろん安いほうが良いのですが、この書き込み方式の差を理解した上で言うと、たったこれだけの価格差でSMR型を選ぶという解は自分には無いなという感じがします。

 


JA1CTV
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